長女たち2・ミッション2

それでは「ミッション」の感想を書きたいと思います。


「家守娘」そして後述する「ファーストレディ」で、
介護が必要な、強烈な母親を見たせいか、
頼子の言い分よりも薬草医の言い分のほうが、
すとんと自分の中に入ってくるんですよね。

もちろん、これまで国のために、家族のために働いてくれた人たちに、
長生きしてもらいたいという気持ちは正論だと思います。

だけど、国の財政を圧迫する医療費や、介護に必要な人手のことを考えると、
過度に延命治療に走りすぎる現在の日本の医療制度はどうかと
思えてならないんですよね。
まあ、なんだかんだいっても、日本が豊かな国だということの証左なのでしょうが。


私自身の思いとしては、機械につながれてまで生きていくのは、ごめんです。
ましてや、自分が認知症になったらと思うと、いたたまれなくなります。

でも、実際にそうなってしまったら、
そこまで潔く思い切れるのだろうか……。

こんなことを言っていても、みにくくも、みっともなく
「生きたい」って悪あがきしていまうかもしれません。(苦笑)

直前まで働いていた者が、突然、倒れ死んでゆく――。
もちろん、頭で考えるほど簡単なことではないと思いますが、
ある意味、理想的な死に方なのかもしれませんね。

 

 

ケノン 痛み

 

長女たち2・ミッション1

2.「ミッション」


これは、1作目や3作目とは違い、
長女ということが、あまり重要ではない作品ですね。
主人公の背景として、うっすらと出てくるくらいです。


母の担当医でもあり、自らの指導医でもある恩師・園田の跡を継いで、
医療の遅れている山岳の地で医師として働くことを志した頼子。

村人たちの生活を少しでもよくしようと、
一生懸命、村人たちに働き掛けるものの、
彼らは頼子の言葉には耳を傾けず、頑なに伝統的な生活を変えようとはしない。

過酷な労働と栄養バランスが取れず、塩分の高い食事を取っている村人たちは、
中年なのに老人のような容貌になっていた。

村人たちが病気になったり、けがをしたりしたのときに頼るのは、
医師ではなく「薬草医」という怪しげな存在であった。


村人たちに勧められるままに煎じ薬のようなものを飲んだ頼子は、
幻覚のようなものを見る。
その幻の中に現われたのは、
医師になるために捨ててしまった父親の姿だった。

苦しむ頼子を救ったのは、くだんの「薬草医」だった。
そして「薬草医」は、頼子に村の生き方について、淡々と説くのだった――。

 

長女たち1・家守娘3

「家守娘」の感想の続きです。


直美は、納得できないまま、不承不承、母親の世話をするために長年勤めた会社を退職しますが、
実は、その会社は裏で詐欺商法をしていることが後に分かります。
警察に摘発され、社会の信用を失い、会社はあっという間に倒産。
残った社員は、退職金どころか、再就職さえ難しい状況に追い込まれますが、
直前で退職した直美は、給料や退職金を全額受け取ることができています。

また、いいなと思った男性が、実は財産目当てで直美に近づいていた男で、
金のために妻を殺したという恐ろしい裏の顔がありました。
しかし、母に別れさせられたために、被害に遭うことなく済みます。

ただ、あまりにもうまくできすぎて、
社会的な話の中にファンタジーが混ざっているような感がありました。(笑)

ある意味「人間万事塞翁が馬」「禍福は糾える縄の如し」ということでしょうか。
ただ、それにしても、こんな母親がいたら大変すぎます。
「逃げられるものなら、逃げたい」と思い詰める直美の気持ちに共感します。


幸いにも、実家の母も義母も健在ですが、深く考えさせられる話でした。

長女たち1・家守娘2

それでは、私なりに、この物語を読んで思ったことを綴りたいと思います。

読み進めていて、おなかがずしーんと重たくなるような内容です。

ただ、最初に予想していたほど
「頼られるだけの長女」「かわいがられるだけの妹」という構図ではなくて、
その部分については少しだけ救いがありましたね。

ただし、それ以外の部分においては、容赦がないですけれども。
仕事で疲れた娘を、あごで使うわ、罵声を浴びせるわ、
もう、やりたい放題です。(苦笑)

痴呆になると理性が吹き飛んで本能がむき出しになりますからね、
本当に怖いです。


ただ、こんなふうに書くと
認知症の母親に苦しめられる、不憫な娘の物語」のようですが、
それだけでありません。

そこが救いでもあるのですが、
ある意味、直美をさらに深い闇へと陥れているようにも思えます。

続きます。

 

夏休み体験学習

タウン誌に、夏休み特集として、
近隣でできるいろいろな体験学習の紹介をしていて、
それがとってもおもしろそう。

吹きガラス体験で花瓶やコップをつくったり、
竹ひごを編んでカゴをつくったり、
そば打ち、こんにゃくづくり、陶芸、押し花等々、
写真を見ているだけでも楽しさが伝わってきて、
全部やってみたい気分です。


これ、夏休み体験学習というんだから、
子ども連れじゃなきゃ駄目なんだろうか。
大人でも楽しめそうなものがたくさんありそう。

以前、伊豆高原でこういった体験工房をいろいろ訪れたことがあって、
それはそれは楽しかったことを思い出しちゃいました。

ちょっと車を走らせればこういった体験ができるところがあるなんて、
今までちっとも知らなかったわ。

夫を誘って行ってみたいな♪

 

 

ボニック 本体のみ