長女たち2・ミッション2

それでは「ミッション」の感想を書きたいと思います。


「家守娘」そして後述する「ファーストレディ」で、
介護が必要な、強烈な母親を見たせいか、
頼子の言い分よりも薬草医の言い分のほうが、
すとんと自分の中に入ってくるんですよね。

もちろん、これまで国のために、家族のために働いてくれた人たちに、
長生きしてもらいたいという気持ちは正論だと思います。

だけど、国の財政を圧迫する医療費や、介護に必要な人手のことを考えると、
過度に延命治療に走りすぎる現在の日本の医療制度はどうかと
思えてならないんですよね。
まあ、なんだかんだいっても、日本が豊かな国だということの証左なのでしょうが。


私自身の思いとしては、機械につながれてまで生きていくのは、ごめんです。
ましてや、自分が認知症になったらと思うと、いたたまれなくなります。

でも、実際にそうなってしまったら、
そこまで潔く思い切れるのだろうか……。

こんなことを言っていても、みにくくも、みっともなく
「生きたい」って悪あがきしていまうかもしれません。(苦笑)

直前まで働いていた者が、突然、倒れ死んでゆく――。
もちろん、頭で考えるほど簡単なことではないと思いますが、
ある意味、理想的な死に方なのかもしれませんね。

 

 

ケノン 痛み