長女たち1・家守娘2
それでは、私なりに、この物語を読んで思ったことを綴りたいと思います。
読み進めていて、おなかがずしーんと重たくなるような内容です。
ただ、最初に予想していたほど
「頼られるだけの長女」「かわいがられるだけの妹」という構図ではなくて、
その部分については少しだけ救いがありましたね。
ただし、それ以外の部分においては、容赦がないですけれども。
仕事で疲れた娘を、あごで使うわ、罵声を浴びせるわ、
もう、やりたい放題です。(苦笑)
痴呆になると理性が吹き飛んで本能がむき出しになりますからね、
本当に怖いです。
ただ、こんなふうに書くと
「認知症の母親に苦しめられる、不憫な娘の物語」のようですが、
それだけでありません。
そこが救いでもあるのですが、
ある意味、直美をさらに深い闇へと陥れているようにも思えます。
続きます。