長女たち1・家守娘3

「家守娘」の感想の続きです。


直美は、納得できないまま、不承不承、母親の世話をするために長年勤めた会社を退職しますが、
実は、その会社は裏で詐欺商法をしていることが後に分かります。
警察に摘発され、社会の信用を失い、会社はあっという間に倒産。
残った社員は、退職金どころか、再就職さえ難しい状況に追い込まれますが、
直前で退職した直美は、給料や退職金を全額受け取ることができています。

また、いいなと思った男性が、実は財産目当てで直美に近づいていた男で、
金のために妻を殺したという恐ろしい裏の顔がありました。
しかし、母に別れさせられたために、被害に遭うことなく済みます。

ただ、あまりにもうまくできすぎて、
社会的な話の中にファンタジーが混ざっているような感がありました。(笑)

ある意味「人間万事塞翁が馬」「禍福は糾える縄の如し」ということでしょうか。
ただ、それにしても、こんな母親がいたら大変すぎます。
「逃げられるものなら、逃げたい」と思い詰める直美の気持ちに共感します。


幸いにも、実家の母も義母も健在ですが、深く考えさせられる話でした。