長女たち1・家守娘1
1.「家守娘」
小さいころから優等生で「しっかり者の長女」だった直美に対し、
成績はよくないものの「ばかな子ほどかわいい」の格言のとおり、
周囲から愛された育った妹。
しかし、その妹は「玉の輿」に乗り、
直美の心配をよそに、そつなく嫁の務めを果たします。
一方、直美は結婚に失敗し、母の勧めもあり実家に戻ります。
しばらくは平穏な生活を送っていたものの、母が痴呆症になり、
その世話は、実家で母と住んでいる直美ひとりの負担になります。
既に別の家庭を持っている妹は、口で理想論を説くだけで、
何ひとつ手出しはしようとせず、そのことが直美をいっそういらだたせます。
母の世話のために、長年勤めていた会社を辞めざるを得なくなり、
ちょっといいなと思った男性との交際も反対され、
八方ふさがりの状態で、どんどん追い詰められていく直美。
痴呆の母は「ユキちゃん」という女の子の幻を見るようになり、
まるで本当に存在するかのように振る舞います。
母を操り、直美を苦しめる「ユキちゃん」の正体とは――。
私なりにまとめると、こんなあらすじになります。
それでは、次の記事で、私なりの感想を書きたいと思います。
長女たち☆イントロダクション
『長女たち』篠田節子著
(帯の作品紹介より)
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「痴呆が始まった母のせいで恋人と別れ、仕事も辞めた直美。
父を孤独死させた悔恨から抜け出せない頼子。
糖尿病の母に腎臓を差し出すべきか悩む慧子。
……当てにするための長女と、慈しむための他の兄妹。
それでも長女は、親の呪縛から逃れられない。
親の変容と介護に振り回される女たちの苦悩と、失われない希望を描く連作小説」
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ネットの書評といいますか感想を見て「面白そうだな」と思い、
図書館で借りて読みました。
本を読むときは、もっぱら図書館派です。
私自身、三人姉妹の一番下のためか、
はたまた生まれ持った性格ゆえか、
正直、主人公たちには全く共感できませんでした。
なんだか、自ら進んで不幸に突き進んでいっているような気がして。
逃げ場がなく、助けを求める人もなく、もがき苦しんでいるというのは痛いほど分かりますが、
もう少しやりようがあったのではないか――そんなふうに考えながら読み進めていました。
しかし、本当に考えさせられる内容だと思います。
内容は、3つの中編で構成しています。
1作目が「家守娘」
2作目が「ミッション」
3作目が「ファーストレディ」というタイトルです。
1作目と3作目が似たような色合いで、2作目がちょっと毛色の変わった作風かな。
それでは、これから、私なりにこの本を読んで思ったこと、考えたことを、
つらつらと綴ってみたいなと思います。
ゴム通し
夫のパジャマ、
洗濯して干すとき、
なんだかズボンがゆるゆるだな~って思って、
でもずっとそのままだったんですが……
今朝
「ゴム紐ある?」って、そのパジャマのズボンを持って訊ねてきたのです。
やってあげようかなと思ったんだけど、
試しに「はい」ってゴムと裁縫箱を渡してあげたら、
ゴムの長さを調節して切って、
裁縫箱の中からゴム通しを探し出して、
自分でゴム通しをしだしたのよね。
おお、自分でやれるじゃん
そうしたら、
裁縫箱に入っていたカギ編み針を指さして、
「この間、これを使ってゴム通ししようとしたんだけど、
うまくいかなかったんだよ」って言うのです。
「これ、編み針だよ」って言ったら、
「なーんだ」って。
笑っちゃった~
○○歳にもなるのに、編み針でゴムを通そうとしてたなんて、
何だか微笑ましいよね~